個人年金か国民年金どちらが得?個人事業主も両方加入すべき理由をFPが解説

「個人年金と国民年金どっちに加入しようかなぁ」

「そもそも違いってなんなんだろう」

自営業の方で、個人年金と国民年金のどちらに加入しようか迷っている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、個人年金と国民年金どちらか選んで加入するというのは実は正しい方法ではないのです。

そもそも国民年金は加入が義務付けられており、個人年金は国民年金を補うためのもの

つまり国民年金だけでは足りない場合に、追加で個人年金に加入するというのが正しい加入の仕方といえます。

そしてこれからは個人年金と国民年金の両方だけでなく、その他の複数の方法を用いて老後の資金を準備しなければならない時代なのです!

こちらの記事では、個人年金と国民年金の違いだけでなく、今後どのようにして老後の資金を準備していくべきなのかを記載しました。

老後の資金の準備の仕方が全然分からないと悩んでいる方に特に読んで頂きたい内容となっています。

個人年金と国民年金は中身もほとんど違いますので、まずは2つの年金の違いから理解していきましょう。

個人年金と国民年金を比べると国民年金の方が優れている!

個人年金保険と国民年金を比べると、国民年金の方が優れています。

理由は国民年金の方が、①受け取れる額が多い ②受け取れる期間が長い ③節税効果が高い ④受け取れる年金の種類が多い からです。

以上の点に注意して、個人年金と国民年金の違いを見ていきたいと思います。

個人年金と国民年金の違い

個人年金と国民年金の違いは以下の点に注目しやすいと分かりやすいです。

・国が運営する「制度」か保険会社が販売する「保険商品」
・年金を受け取ることができる「期間」
・支払った保険料が「現在の年金受給者に使われる」か「将来の自分のために積立てられる」か
・税金の負担が「大きく減る」か「少し減る」か
・受け取れる年金の「種類」
・途中で解約できるかできないか

ピンとこない人も多いと思いますので、具体的に解説していきます!

国民年金は国が運営している制度

国民年金は国が運営している制度で、日本国民であれば全員必ず加入する必要があります。

つまり、加入しないという選択肢はありえません!

加入対象は日本に居住している20歳以上60歳未満の方で、「第1号被保険者」「第2号被保険者」「第3号被保険者」に分けることができます。

詳細はこちらのサイトで確認してみてください

年金は生涯に渡って受け取ることができます。

国民年金に加入することによって老後に受け取ることができる年金は「終身年金」ですので、自分が死ぬまで一生涯に渡って受け取ることができます。

年金は「基礎年金」「厚生年金」に分かれていますが、「厚生年金」を受け取ることができるのは、サラリーマンや会社員の方のみです。

自営業やフリーランスの方は、国民年金にこみ加入している人は「基礎年金」しか受け取ることができないため、受け取れるお金が少なくなります。

国民年金に加入するとによって、受け取れる基礎年金の額は、最大で779,300円(平成30年現在)ですので、毎月にするとおよそ64,941円です。

支払った保険料は、現在の高齢者のために使われます

支払った保険料は、現在年金を受給している人の年金に回されているため、自分のために積み立てるのではありません。

これを「賦課方式」といい、現在の年金保険料を負担している人から、現在年金を受給している人に仕送りされているというイメージです。

保険料は支払った分だけ税金がお得になります!

「国民年金の保険料って高いなぁ・・・」

「将来もらえるか分からないのに何で支払わないといけないの?」

と思っている方、多いと思います。

実際国民年金の保険料は、1名につき毎月16,340円(平成30年時点)ですので、年間にすると20万円近くにもなるのです。

しかし、国民年金に加入していると、払うべき税金の額が少なくなるという特典を受けることができます。

理由は、国民年金の保険料は「社会保険料控除」の対象となり、支払った保険料の全てを税金の計算から外してくれるのです!

たとえば社会保険料を年間に合計で40万円支払っていた場合は、収入の総額から社会保険料控除として10万円がそのまま差し引かれて計算されます。

控除って何?

控除とは、払わないといけない税金の額を計算するときに、計算の対象に含めないもののことを言います。

税金をどれだけ支払うかは1年間で得た収入(所得)の額に応じて変わるのですが、その収入全てに課税されるのではありません。

1年間で得た収入から「控除」というものを差し引いた残りの「課税所得」に所定の税率がかけらえて求められます。

控除の種類は、全員が差し引くことができる「基礎控除」をはじめとして、配偶者がいる場合は「配偶者控除」、給与所得者が受けられる「給与所得控除」、生命保険に加入している人は「生命保険料控除」などを受けることできるのです。

国民年金や健康保険料などで支払ったお金は「社会保険料控除」として、税金を計算するときに、計算の対象外とすることができます。

途中で解約することができない

当たり前ですが、支払っている途中で解約することにより、これまで支払った掛け金が戻ってくるということはありません。

国民年金は強制加入のため、解約という概念はなく、基本的に最後まで支払い続ける必要があります。

個人年金は保険会社が販売する保険商品

個人年金は保険会社が販売する保険商品の1種です。

保険商品のため、加入するしないは任意となり、保険会社によって給付される金額の内容も違ってきます。

また支払う保険料は、基本的に自分で決めることとなるのです。

年金は決まった年数分だけ支払われる

個人年金で受け取ることができる年金は、国民年金とは逆に受け取る年数が決まっている「有期年金」です。

年金を受け取る期間は、10年間を選択される方が最も多いですが、5年や15年も選ぶことができます。

ちなみに個人年金でも「終身年金」を選択できますが、かなり長生きしないと元が取れないため、あまりおすすめではありません。

支払った保険料は「将来の自分のために積み立てられる

毎月もしくはまとめて支払った保険料は、保険会社に預けることにより、毎月積み立てられるだけでなく、運用され、増やされていきます。

注意すべき点は、支払った保険料が、全て積み立てられたり運用されるわけではなく、実は手数料が差し引かれるのです!

これは保険会社が保険を運営していくための人件費や物件費などに充てられます。

ただ、この手数料がいくらなのかは開示されていないため、基本的に知ることができません。

税金の負担も減るけど国民年金よりは少ない!

個人年金は「生命保険料控除」の対象となるので、支払った保険料に応じて税金の負担が減ります。

しかし国民年金のように、支払った保険料のすべてが計算対象がになるのではなく、支払った保険料に応じて、控除される額が計算されるので注意が必要です。

控除額は所得税を計算する時は最大で4万円で、保険料を年間で8万円以上支払っていた場合に控除されます。

また、住民税を計算する時も最大で2.7万円が控除されますが、保険料を年間で5.6万円以上支払っている場合に限られるのため注意が必要です。

年間数10万円近くがまるまる控除される国民年金よりもかなり少ない額しか控除されません。

受け取れる年金は「老後の年金」のみ

個人年金の場合、受け取ることができる年金は、老後の年金のみです。

自分が亡くなってしまった場合や障害状態になった場合には年金を受け取ることができません。

ただし、保険料を支払っている途中で亡くなった場合は、支払った保険料の総額が返ってきますし、年金を受け取っている期間に亡くなった場合は残りの年金が残された家族に支払われます。

途中で解約できるが元本割れを起こす可能性がある

個人年金は、掛け金を支払っている途中で解約することもできるのですが、これまで支払った保険料の合計額より、解約したときに受け取ることができる、解約返戻金の方が少なくなる「元本割れ」を起こす可能性が高いです。

途中で解約するリスクは意外に高く、例えば生活環境の変化で保険料が払えなくなったというケースが少なくありません。

子供が私立の学校に入学したために、学費が多くかかってしまった、転職したり離婚したことにより世帯収入が減ってしまったことにより続けていくことが難しくなったというケースが考えられます。

以上のように、早期解約のリスクは多く存在するため、注意が必要です。

国民年金だけで老後の資金を確保することは難しい

違いを見比べてもらってもわかる通り、国民年金の方が個人年金よりも優れています。

しかし国民年金だけに加入しておけば充分かというとそうではありません。

なぜならば国民年金だけでは将来の生活費を準備するのは不可能だからです。

老後に生活していくための毎月の生活費は、最低でも毎月22万円、余裕のある生活であれば、毎月35万円ほど必要であると言われています。
出典:<生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/平成28年度>

一方で、国民年金で受給できる額は多くなく、お伝えした通り、平成30年4月時点での満額は、年額で779,300円です。

毎月にすると64,941円ですので、どう考えてもこれだけで生活していくのは不可能と言えます。

今後も年金の受給額が減る可能性がある

少子高齢化が進んでいっているというのは有名な話ですよね?

つまり年金が必要な高齢者は増えるのに、保険料を支払ってくれる、労働者の人口が減っていくのです!

これではどう考えても年金制度の維持なんて難しいですよね?

日本年金機構のデータによると、全人口のうち65歳以上の高齢者が締める割合は、以下のようになると予想されています。

昭和35年(1960年):5.7%
平成21年(2009年):22.8%
平成67年(2055年):40.5%

このように高齢者の割合は爆発的に増加していく可能性が高いです。

同様に、20歳〜60歳と65歳以上の人口を比較した場合は

昭和35年(1960年):10.6%(9.5人に1人)
平成21年(2009年):38.5%(2.6人に1人)
平成67年(2055年):85.0%(1.2人に1人)

となり、予想以上に高齢者の数は増えて、労働者の人口は減っていきます。

よって今後は年金の受給額が減らされたり、国民年金の保険料が増えたりする可能性は非常に高いのです。

ちなみ平成30年4月時点での国民年金の保険料は16,340ですが、平成元年の保険料がいくらか知っていますか??

何と8,000円、つまり今の半額だったのです。

今から30年後の保険料は一体どうなっているのでしょうか・・・・

自営業やフリーランスが個人年金よりも優先して加入すべきもの

自営業やフリーランスの人は、様々な手段を用いて老後の資金を確保しなければなりません。

なぜならば、自営業やフリーランスは、会社員とは違って、厚生年金に加入できないため、将来受け取ることができる老齢年金の額も必然的に少なくなります。

厚生年金に加入することにより受給することができる「老齢厚生年金」の額は、国民年金の2倍以上にも上るため、厚生年金に加入しているかしていないかで、年金の受給額に雲泥の差です。

しかし、自営業やフリーランスの方は以下の方法で老後の資金を確保する手段がありますので、安心してください。

付加年金

付加年金を活用することにより、国民年金の保険料に追加で400円負担することにより、将来受け取れる年金の受給額を増やすことができます。

増える額は「200円✖️付加年金保険料を納めた月数」です。

例えば20歳〜60歳まで毎月付加保険料を納めると、全部で192,000円(400円✖️480月(40年))の保険料を払ったとします。

すると将来の年金の年額には年額には

200円✖️480(月)=96,000円上乗せされます。

支払った保険料は2年でモトが取れると、説明されていますが、それでも老後の生活費全てを補うにはまだ足りません!

また付加年金は、「物価スライド」という仕組みがないため、円の価値が変わっても、年金の額が変わらないという欠点があります。

国民年金基金

国民年金基金は、厚生年金に加入できない方のためにある制度で、自営業でも老後の年金を増やすことができます。

「サラリーマンと自営業で年金の額違うのって不公平じゃない!?」

と思っている自営業の方でも年金の額を増やすことができます。

掛け金は全額所得控除となるため、節税効果は個人年金よりも高く、受け取り方も終身年金を選ぶことが可能です。

以上の理由から、加入の優先順位は、後述するiDeCoや個人年金よりも高いと言えます。

掛け金の合計額は、最大で68,000円(iDeCo:個人型確定年金と合算)です。

ちなみに国民年金基金も物価スライドには対応していません。

小規模企業共済

「せっかく自営業でバリバリ働いたのに、退職金は1銭も出ないなんて悲しいなぁ」

と思っている方のために、小規模企業共済があります。

つまり小規模企業共済は、厳密にいうと年金を準備する手段ではなく、退職金を準備するための制度です。

掛け金は1,000円〜70,000円の間で設定でき、支払った掛け金は、全額所得控除となるため、節税効果も期待できます。

更に急に資金が必要になった際は、貸付制度を利用することにより、資金を調達することが可能です。

以上のことから小規模企業共済は、自営業であれば加入する優先順位は比較的高い制度であるといえます。

iDeCo

iDeCoは個人型確定拠出年金のことで、国民年金や厚生年金と同じく、老後の年金を確保するために設けられた制度です。

掛け金は全額所得控除のため、節税効果は国民年金基金や小規模企業共済と並んで高いといえます。

そして、1番の特徴は、運用先を自分で指定するということです。

個人年金や国民年金において、拠出した掛け金は、専門機関や保険会社が運用先をしていくれて、自動で運用してくれるため、自分は掛け金を支払う以外は何もする必要がありませんでした。

しかしiDeCoは、自分で運用先を指定する必要があり、筆者のオススメは、海外株式のインデックスファンドに投資をすることです。

自分で運用すると聞くと、大きなリスクを背負わなければいけないのではないかと、思う人もいるかもしれません。

しかしiDeCoは「ドルコスト平均法」という、毎月一定額を積立るてて、リスクを最小限にできる投資の仕方を用いて行うため、そこまで心配しなくても大丈夫です。

個人年金と国民年金の違いまとめ

個人年金と国民年金の違いをまとめてきましたが、大事なことは個人年金と国民年金だけでなく、様々な手段を用いなければ老後の資金は確保できないということです。

特に自営業やフリーランスは、厚生年金に加入できないデメリットはとても大きいため、国民年金基金を初めとした、様々な制度を用いる必要があります。

今後はこのような制度に対する知識を深めないと、保険会社の言われるままに、高額の個人年金保険に加入してしまったという事態になりかねません。

自営業やフリーランスの方は、本業が忙しい中であるとは思いますが、年金や保険に対する知識も深めないと、簡単に損をしてしまうため注意が必要です。

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