個人年金に夫婦で別々に加入する注意点とメリットをFPがシュミレーション!

個人年金は夫婦に別々で加入している人もいるかと思いますが、きちんとメリットとデメリットを理解していますか?

「日本の年金制度はこれから期待できないから夫婦でそれぞれ個人年金に加入しておけば安心」

と思っていませんか?

何も考えずに個人年金に夫婦で加入だけして安心していると、思わぬリスクに直面したり、将来のお金が足りない!なんとことになりかねません。

この記事では、本当に夫婦で個人年金に加入しても大丈夫かな?と思ったいる方のために

・個人年金を夫婦別々で加入することのメリットとデメリット
・個人年金以外でどのようにして、老後の資金を貯めたら良いか

について解説しているので最後までご覧ください。

個人年金に夫婦別々で加入するメリット

まず個人年金を夫婦別々で加入するメリットから説明していきたいと思います。

夫婦別々で個人年金で加入するメリットは

①単純に貯まる額が増えること
②税金の負担を最大限に減らせること
③どちらかが死亡しても損する可能性がないことです。

それぞれについてみていきましょう。

単純に貯まる額が増えます!

単純な理由ですが、夫婦で個人年金に加入することにより、貯まる額が増えます。

個人年金の利率は、銀行の定期預金よりも高いため、とても人気の商品です。

夫婦で加入することにより、単純に受けられるそのメリットが倍になりますよね?

ここで比較的、利率の高い明治安田生命の「年金かけはし」を使って資産してみたいと思います。

・商品名:年金かけはし(明治安田生命)
・契約年齢:25歳
・性別:男性
・据え置き期間:有
・月掛け保険料(口座振替料率):20,000円

という内容で試算をしてみると

年金開始開始年齢:65歳
払込保険料累計額:840万円
保険料払込期間:35年
据え置き期間:5年
基本年金年額:約89.9万円
一括受取額:約886万円
年金受取累計額:約899万円
年金受取率:107.0%

という結果になりました。

まとめると

・25歳の男性が毎月20,000円の保険料を60歳までの30年間かけて合計で840万円払い込む
・60歳から65歳までの5年間は保険料を払わず、保険会社に預けておく(据え置く)
・その結果、65歳から毎年約89.9万円の年金を10年間に渡って受け取ることができ、合計すると約899万円受け取りになる。

899万円の受け取りに対して、保険料の総額が840万円のため、受取率は

899万円÷840万円=107.0%となります。

実質の年率は、増えた分を増えた期間で割ると求めることができるので、

7%÷40=0.175%となります。

ちなみに同じ条件で、「女性」で試算した場合、受取総額は898万円となり、ほぼ同じ試算結果となったため、夫婦で1,797万円貯めることができます。

老後の生活で必要なお金は最低でも2,000万円〜3,000万円は必要なため、夫婦で個人年金を利用することにより、必要な額に近づくことができるのです。

税金の負担を最大限に減らすことができる

夫婦で個人年金に加入することにより、1人で加入するよりも税金の負担を減らせる可能性があります。

負担を減らすには、夫婦共に扶養の範囲外で働いていて、それぞれ税金を個別で支払っていることが条件です。

なぜなら、生命保険料控除という税の優遇制度を使って節税できるのですが、節税できる額が決まっているため、1人でたくさん個人年金に加入するよりも、2人で加入した方が節税の効果が大きい場合があります。

個人年金の場合の生命保険料控除の額は、所得税が4万円、住民税が2.8万円です。

そしてこの最大の控除を受けるために必要な保険料は、それぞれ年間で所得税が8万円、住民税が5.6万円となります。

個人年金保険の保険料は最低でも1万円の場合が多く、年間の保険料は12万円です。

つまり、控除額の上限は簡単に超えてしまうのです!

しかし、夫婦が別々に働いていた場合、それぞれに控除の枠が与えられるため、単純に節税の効果が2倍となる可能性があります。

年間に個人年金の保険料を毎月2万円、年間に24万円支払いた場合、1人で毎月2万円の個人年金に加入するよりも、夫婦で1万円ずつの個人年金に加入した方が節税の効果ほ大きくなるのです。

ただし、夫婦ともに働いていて、片方がもう片方の扶養に入っていないことが大前提ですので、気をつけましょう。

どちらかが死亡しても損をすることが少ない

個人年金に夫婦で別々に加入していると、どちらかが亡くなってしまった場合でも、無駄になることはありません。

なぜなら、保険料を支払っている途中で亡くなった場合、これまで支払った保険料が死亡保険金として残された家族に支払われるからです。

また、年金の受給期間中に亡くなった場合ら、これから受け取れるはずだった年金の残りを残された家族が受け取ることができます。

ただし、年金の受取期間が事前に決まっている「有期年金」を選択している場合だけ、残りの年金を受け取ることができ、年金の受け取り期間が決まっていない「終身年金」の場合は、亡くなった時点で受給がストップしてしまうので、注意が必要です。

個人年金に夫婦別々で加入するデメリット

個人年金に夫婦で加入することにはもデメリットも存在します。

それは大きく2点あり、①保険料をずっと払えないリスクがある ②控除制度を活かしきれない。です。

それぞれ見ていきましょう。

その保険料ずっと払い続けられますか?

夫婦で個人年金に加入して将来の年金は安泰!と思って安心してはいけません。

あくまで、個人年金を受け取ることができるのは、長い期間の保険料を支払い続けた場合です。

途中で解約してしまった場合は、年金を受け取ることはできません。

「そんなの当たり前じゃん!」

「解約するつもりないし」

と思っていても解約のリスクは意外に多く存在するので注意が必要です。

転職、離職など

例えば転職をして、収入が下がってしまった場合に個人年金を考えないといけなくなるタイミングにあります。

現在は終身雇用は崩壊しているだけでなく、転職サービスが充実してきたことにより、ずっと1社で勤め上げるという人はどんどん減少しているのです。

自分は転職しないと思っていても、本当に転職はしないと言いきれますか?

企業勤めの人で毎日の仕事にやりがいを持っており、仕事が好き!という人はそんなに多くないはず。

給与よりもやりがいを求めたり、また新しいキャリアを積みたくなったりだけでなく、うつ病など精神系の病気になってしまったことにより、転職を考える機会は意外に多く存在します。

また結婚した当時は共働きでも、何かしらの理由で夫と妻のどちらかが会社を辞めないといけなくなるケースがあるのです。

代表的なのは、夫が全国転勤で、夫の転勤先に妻の勤める会社の支店がなく、辞めざるを得ない場合などが挙げられます。

妻が辞めて夫の転勤先についていった場合は、新たに仕事を探し直す必要がありますが、うまく見つからない可能性もあれば、見つかってもパートなどだと、前職より収入が下がってしまいます。

もちろん別居という選択を取れば、夫婦共に引き続き働いていくことは可能ですが、家族なのに一緒に住めないというのは、思ったよりも辛いものです。

このように、転職や離職によって、収入が下がってしまうと、現在の生活費を確保していくことが第一になるため、

「将来の年金のための積立」

というのは、家計の出費から真っ先に削りたくなるものです。

子供の教育費

夫婦ですので、子宝に恵まれた場合は、子供の教育費にお金がかかります。

子供は授かりものですので、いつ身籠もるかは分からないもの

子だくさんになった場合や、習い事や部活動、さらに私立の学校に進学するとなった場合はお金がたくさん必要になります。

このように解約のリスクは多く存在しますが、どうしても保険料の支払いが難しいときは、解約ではなく、「払済」という手段を使うことにより、保険料の払込だけを中止することもできるので、保険会社に問い合わせてみましょう。

最大限の控除を活かしきれないことも

夫婦で個人年金に加入すると、税金を節約する効果が充分受けられなくなる可能性があります。

控除は多く受ければ受けるほど、税金の負担を減らすことが可能です。

しかし、個人年金に加入することによって受けることができる「生命保険料控除」は、受けることができる控除の上限額が決まっています。

現在個人年金保険料控除の最大の額は4万円で、年間に保険料を8万円以上支払っていると受けることが可能です。

ということは年間の保険料が8万円を超えてしまうといくら払い込んでも一緒なのです。

もちろん、夫婦それぞれに収入があれば、それぞれで控除を受けることができますが、どちらかが離職して、専業主婦(主夫)になったり、扶養内のパートなった場合は、控除の枠は一人分しか使えなくなります。

個人年金の保険料は1人につき毎月1万円以上である場合が多いので、年間で払い込むお金は12万円となり、1人分でも控除の限度の額を優に超えるのです。

老後の資金は個人年金だけでは貯められない

夫婦で年金に加入していて、なんとか最後まで保険料を最後まで払い終えたとしても、実は年金の額はまだ足りません。

なぜなら、これから国からの公的年金の受給額はどんどん減っていくだけでなく、支給される年齢もどんどん先になる可能性が非常に高いからです。

これは少子高齢化が今後進んでいくことに原因があります。

さらに個人年金の利率は昔に比べてかなり下がってしまったので、いま個人年金に加入しても昔のように増えることはありません。

つまり、公的年金と個人年金だけでは将来に必要なお金を準備することは難しいのです!

老後に必要な毎月の生活費は意外に多い!

実際に老後にどれくらいのお金が必要なのかは、生活の仕方によって変わってきますが、最低限必要な生活費と、余裕のある生活費に分けることができます。

老後に生活していくための毎月の生活費は、最低でも毎月22万円必要で、さらに余裕のある生活を送りたいのでであれば、毎月35万円ほどかかるのです。
出典:<生命保険文化センター「生活保障に関する調査」/平成28年度>

自営業やフリーランスの場合

一方で、公的年金から支給される額は、自営業やフリーランスの方だと、国民年金しか加入できないので、毎月6万5千円程度ですので、夫婦で13万円程度の支給となります。

ただしこの額は、夫婦がずっと国民年金加入しか加入していない場合の試算結果のため、自営業やフリーランスになる前に、会社員や公務員をしていて、厚生年金に加入していた場合は、その分上乗せして支給されるのです。

会社員や公務員の場合

一方でサラリーマンや公務員の方で厚生年金に加入していた場合の受給額は、おおよそ毎月15万円前後の額ですが、夫婦の職業によって受給額が変わってきます。

例えば、夫が会社員で妻が専業主婦の場合は、夫は会社の厚生年金、妻は国民年金に「第3号被保険者」としてそれぞれ加入する形です。

その場合の老後の年金の支給額は、夫の厚生年金から約15万円、妻は国民年金から約6万5千円支給され、合計で約22万円ほどとなり、最低限生活していける額には届くことになります。

そして夫婦ともに定年まで厚生年金に加入し続けた場合は、15万円×2で30万円近くの給付を受けることが可能です。

公的年金に個人年金と合計して受け取れる額

個人年金に上乗せされる額は、さきほど試算した結果だと、年額が88.9万円なので、毎月にすると7万4千円です。

夫婦で同じ年齢で加入した同じ個人年金に加入していた場合は、2倍の15万円程度を受け取ることができます。

自営業やフリーランスの場合だと、公的年金と個人年金を2人分合計すると

13万円+15万円=28万円

ですので、なんとか最低限の生活はしていけそうです。

会社員や公務員の場合は同じように計算すると、

厚生年金(夫)+国民年金(妻)の場合は

22万円+15万円=39万円

となります。

夫婦ともに厚生年金に加入していた場合は、

30万円+15万円で45万円

となります。

更に定年まで勤めた場合は、退職金も支給されるため、実際はもう少し生活費を確保できます。

「なんだ全然たりるじゃん!」

と思われた方は要注意!

上記の年金受給額は、あくまで”現在”の受給額で、将来はどうなっているかは分からず、受給額が下がる可能性が高いです。

そして個人年金も、基本的に10年間しかで給付がされないため、給付が終わると引き続き公的年金と、貯蓄のみで生きていかないといけません。

老後の資金を準備する方法

ではどのようにして、足りないお金を準備していくのかは、「投資をすること」と「仕事を選ぶこと」がとても重要であると思います。

投資をする

投資はiDeCoやNISA(つみたてNISA)を使うことによって誰でも簡単にできるようになりました。

iDeCoやNISAに共通しているのは、投資によって得た利益が非課税になることです。

株式や投資信託に投資することによって得た利益は、約20%の税金を取られるのですが、iDeCoやNISAによって得たえた利益から税金が引かれることはありません。

特にiDeCoは個人型確定拠出年金のことですので、将来の年金のために自分で掛け金を拠出して、運用していくもので、掛け金の全てが所得控除となり、節税効果も非常に高いです。

仕事を選ぶ

仕事を選ぶことは、老後も働きたいと思う仕事を探すことということです。

「定年まで我慢して働けば、あとは退職金と年金で生活していける!」

と嫌な仕事を定年までやっていれば良い時代ではなくなりました。

現在は、利用できる転職サービスが増えてきたために、以前に比べて転職しやすい時代です。

これを機に自分に合っていて、歳を取ってもずっと働いていたいと思うような仕事を、探してみてはいかがでしょうか。

また副業をする方も増えてきており、クラウドソーシングといった手軽に仕事を受注できるサービスも出てきています。

副業によって、本業以外でも収入を得ることができるようになったので老後の資産を確保する選択肢が1つ増えたと言えます。

昔に比べて好きなことでお金を稼ぐことは難しくない時代になりました。

まとめ

個人年金を夫婦別々で加入することはとても効果的なことですが、

・最後まで保険料を払っていけるのか

をしっかり考えた上で加入することが大事ですし、

・個人年金だけでは足りない可能性があるので、他の手段はないのか

についても考えていく必要があります。

いずれにしても、今の生活と今後の生活を考えた上で、夫婦で個人年金に入っても大丈夫なのか、いくらの保険料なら払っていけるかをしっかり考えて加入するようにしましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です