個人年金保険はいつから加入する?年齢やタイミングを3つの視点からFPが解説

今このページを見ている人は、老後の生活資金が不安になり、個人年金保険に入った方がいいのかな‥?と悩んでいる人だと思います。

「この先公的年金はあてにならないとテレビで言ってるし‥」とか、「友達が個人年金保険に入ったみたい、やっぱり必要なのかな?」「でも老後なんてまだ先だし早いかな?」など、なんとなく焦りがあるものの、具体的にどうすればいいのか、いつ始めればいいのか、わからない方が多いのではないでしょうか?

ここでは、そのようなお悩みを持つ方に、個人年金保険について知っておくべき知識と、加入に最適な時期はいつなのか、などを解説していきたいと思います。

老後の生活費はいくら必要なの?

公的年金は年々後ろ倒しにされ、金額も減らされるだろうと予想される中、日本人の健康寿命はどんどん延びています。

長生きできることは嬉しいことですが、老後貧乏に陥ってしまい、辛い老後を何十年と生きることは誰も望みませんよね。

「老後の生活費は公的年金だけでは足りない」ということはなんとなく知っているかもしれませんが、では具体的にはいくらくらい必要なのか、総務省統計局の統計から見ていきましょう。

平成29年の家計調査の結果です。

2人以上の高齢無職世帯

実収入平均は209,198円
消費支出平均は235,477円

26,279円が赤字ですので、貯金などを切り崩しながらの生活でしょうか。

この数字を見ると、無職世帯が毎月最低限必要な生活費は約25万円だということですね。

また、生命保険文化センターの調査によると、ゆとりを持たせたい上乗せ額は平均12.8万円となっていますので、ゆとりを持った生活をするためには38万円必要ということになります。

単身の高齢無職世帯

実収入平均は112,047円
消費支出平均は142,198円
赤字は30,151円

単身世帯は最低限の生活費が約15万円となります。

こちらもゆとりを持たせるなら、28万円ほど必要ということになります。

みんないつから老後資金を準備してる?

老後の生活費が、公的年金だけではとても足りないということがわかりましたが、では老後資金の準備はいつ頃から始めている人が多いのでしょうか?

老後資金の準備はいつから?

こちらも生命保険文化センターの調査結果から見てみると、老後資金準備を始めている割合は

20代:40.8%
30代:58.9%
40代:67.8%
50代:72.0%

となっています。

細かい数字を見ていくと、全ての年代平均で夫婦片働きが68.8%、共働きで70.4%となっており、その中でも特に夫婦ともに自営業者の場合が84.0%と高くなっています。

自営業者の場合は厚生年金がなく、国民年金だけになるので、年金額の少なさから備えている人が多いと思われます。

また、子供が未就学児の夫婦は62.7%なのに対して、子供が全員卒業している夫婦は76.2%、子供がいない夫婦が75.0%となっています。

子供がいない夫婦の方がお金に余裕がある、また老後は施設に入る可能性が高くなるなどの理由から高くなっているのだと推測できます。

子供が未就学児のうちは老後資金の準備をする余裕がなく、子供が卒業してから準備を開始する人が多いのだということも読み取れますね。

個人年金保険の加入はいつからが多い?

では個人年金保険の加入はいつからが多いのでしょうか?

20代での加入率:11.4%
30代での加入率:17.1%
40代での加入率:26.1%
50代での加入率:28.8%
60代での加入率:29.9%

意外かもしれませんが30代ではまだ20%も加入していないようです。

年齢が上がるにつれ、加入者が増えているのがわかります。

個人年金保険ってどんなもの?

そもそも個人年金保険とはどんな保険なのでしょうか?

老後資金=個人年金保険のイメージくらいしか持っていない方もいるかもしれませんが、個人年金保険にも様々な種類がありますので、説明していきましょう。

確定年金・終身年金

確定年金

もっとも加入者が多いのが確定年金。

例えば10年確定年金の場合は、毎月決まった額の保険料を60歳まで払い込み、指定の開始年齢から10年間年金を受け取れるタイプの保険です。

それぞれの保険に設定されている返戻率によって、支払った保険料よりもどれくらい多く年金が受け取れるのか決まっています。

万一10年間のうちに死亡してしまっても、残りのお金は遺族に支払われますので、損のないタイプの保険と言えます。

終身年金

毎月決まった額の保険料を60歳まで払い込み、指定の開始年齢から一生涯年金を受け取れるタイプの保険。

死亡するまでずっと受け取れるので、お金の心配をせず安心して長生きすることができます。死亡したらそこで年金はストップするので、早死にすると損をしてしまう面も。

一生涯受け取れる安心感はあるが、確定年金に比べて保険料は高めで毎月の受け取り年金額も少なめです。

定額年金・変額年金

定額年金

保険契約時に受け取る年金額が決まっているタイプの保険。

返戻率でどれだけ増えて戻ってくるかはっきりしているので、損をしない安心感はあるが、今は利率が非常に低い時代なのでお得感はあまりないかもしれません。

契約時の利率で数十年間固定されてしまうので、インフレに対応できないデメリットがあります。

変額年金

運用実績次第で受け取る年金額が増えたり減ったりするタイプの保険。

景気によって利率が変わるので、インフレリスクに対応できます。

ですが定額年金より受取額が増える可能性はあるが、原本割れの可能性もありリスクを理解したうえで加入しましょう。

円建て年金・外貨建て年金

円建て年金

一般的なイメージの個人年金保険で、個人年金保険加入者のうちほとんどの方が円建て年金を選ばれます。

保険料を円で支払い、年金も円で受け取るタイプの保険です。

外貨建て年金

米ドルや豪ドルなどの外貨で運用する保険。

円建てに比べて利率が高いのですが、受け取り時に円高だと受け取り額が減ってしまう可能性があります。

反対に円安のタイミングであれば年金額が増えるので、ハイリスクハイリターンな保険で、金融商品に近いです。

年金受け取り開始は何歳から?

年金の受け取り開始年齢はおおむね55歳~70歳までの間で選べる会社がほとんどです。

何歳から受け取るのがよいのかは、それぞれその人の状況によって変わります。

55歳から受け取れる

「早期退職して年金でのんびり暮らしたい」という方は55歳受け取りにされてもよいですね。

厚生年金や公的年金の受け取り年齢になるまでのつなぎとして、個人年金保険は適しています。

払込期間が短くなってしまうため、その分月々の保険料は高めになります。

60歳受け取りがもっとも多い

生命保険文化センターの調査結果では、60歳からの受け取りが29.0%でもっとも多くなっています。

60歳に定年退職する方が多く、公的年金受け取りの65歳までのつなぎとして受け取れます。

65歳以降の受け取りも可能

65歳からの受け取りは26.1%と、60歳についで多くなっています。

再雇用などで65歳まで働く方も増えていますし、公的年金の上乗せとして受け取れます。

70歳以降の受け取りは8.0%と少なくなります。

年金は据え置き期間が長くなるほど受け取り額が大きくなるので、自営業などで長く働ける方であれば、公的年金も後ろ倒ししてゆとりのある老後生活を送るのもよいかもしれませんね。

個人年金保険の加入に最適な時期とは?

では、個人年金保険に加入するのに最適な時期とはいつなのでしょうか?

これは何歳がベストタイミングです!と言い切れるものではないので、3つの視点から考えてみましょう。

①なるべく若いうちに始める

老後資金の準備として最適な時期、というのであれば、「老後資金が心配だな、そろそろ準備しようかな」と思った時と言えるかもしれません。

個人年金保険で準備するでも他の方法であっても、若いうちから少しずつ、というのが1番始めやすく続けやすいですよね。

塵も積もれば山となるとのことわざ通り、毎月数千円でも積み立てていけば数十年後には大きな金額になっているはずです。

②お金が捻出できるようになったら

ライフステージでもっとも大きな支出が続く時期といえば、育児期間ではないでしょうか。

あまりお金に余裕のない20~30代に子供を産んだとして、子供が小さいうちは育児用品、日々のおむつ代から幼稚園費用、大きくなっても習い事や塾の費用、学費などの養育費用が継続的に必要です。

そのような期間にはとても老後のお金まで準備できない、という状態ならば、子供が学校を卒業したり自立したりして、家計が落ち着いた時期から始めてもよいでしょう。

前項の生命保険文化センターの数値から見ても、実際そのパターンの方が多いようです。

③予定利率が高くなったら

現在円建ての個人年金保険は利率が低く、あまりお得感はないというお話はしましたね。

2017年に標準利率(各社が予定利率を決める目安になるもの)が大きく引き下げられ、0.25%になりました。

これを受けて各保険会社が個人年金保険などの貯蓄保険の利率を下げたため、ますます返戻率は下がってしまいました。

今は過去最低の水準ですので、今後利率が上がってきた時に入るという考え方もひとつです。

しかし利率がいつ上がるかというのはわかりませんし、急激に上がるものでもないため、様子を見ているうちに定年まであと数年、となってしまう可能性もあります。

少しずつ貯蓄を始めながら、利率が高くなれば加入しよう、というスタンスでもいいかもしれませんね。

個人年金保険以外の方法は?

個人年金保険の加入率はもっとも多い60代でも30%ほどでした。

では他にどんな方法で老後の資金準備ができるでしょうか?

銀行に定期預金する

1番わかりやすくスタンダードな方法ですね。

今は超低金利ですが、普通預金よりは定期預金のほうが若干金利は高いです。

満期まで引き出すことはできませんが、今は1週間など短期の定期預金もあります。

最長で10年ですが、いつでも引き出せる普通預金よりは、簡単に使えない定期預金の方が貯蓄を続けやすいのではないでしょうか。

財形年金貯蓄

社内に財形年金貯蓄制度のある方は55歳未満なら誰でも利用できます。

毎月の給料やボーナスから決めた額を天引きされるため、「知らないうちに貯まっていた!」という感覚で、貯金が苦手な方に向いています。

引き出すには社内で手続きしてもらわなければならず、簡単に引き出せないのもメリットです。
また、550万円までは利子に税金がかかりません。

投資信託などの資産運用

投資信託とは、多くの人からお金を集めて、そのお金をプロが運用し、利益を分配するものです。

運用自体はプロがしてくれるので、自分で運用する知識や自信のない人に向いています。

ですが運用ですので、元本割れなどのリスクはあります。

2014年からは少額投資非課税制度NISAが始まりました。

NISAは通常運用利益や配当金にかかる約20%の税金が、年間120万円までは非課税になる制度です。

例えば、120万円でA社の株を購入、数年後にその株が150万円になっていたとして、本来なら30万円×20%=6万円が税金としてとられ、利益は実質24万円になります。

ですがNISAの場合はこの6万円が0円になるわけですから、お得であることはおわかりいただけるかと思います。

確定拠出年金iDeCo

もうひとつの私的年金として注目されているのが確定拠出年金iDeCoです。

これは毎月の掛け金を自分で設定し、運用していく年金です。

2017年に対象が拡大されたことで利用者が一気に増えています。

iDeCoの特徴

・積立投資型の私的年金
・引き出しは60歳以降
・運用商品は自分で選ぶ
・原則中途解約はできない
・運用利益は非課税で、掛け金が全額所得控除対象

個人年金保険でも保険料の控除は受けられますが、限度額が決まっています。

iDeCoの場合は掛け金が全額所得控除されるため、毎月の掛け金が多いほど節税効果が高くなり、お得になります。

ですが、受け取りの年金額は運用実績次第になるので、リスクはあります。

また、自分で投資先を決めるので、ある程度は金融商品についての知識は必要になります。

まとめ

個人年金保険を加入するなら、いつ頃から加入していつから年金を受け取ればいのかを、実際のデータとともに解説してきました。

それぞれの家庭の状況や事情によって、加入すべき時期というのは違いますが、個人年金保険を詳しく知ればおのずとわかってきたのではないでしょうか。

個人年金保険以外にも色々な方法がありますから、リスクやメリットを比較しながらご自身に合った方法を選んでくださいね。

参考書籍:「個人年金を考えるならこの1冊」三田村 京
参考サイト:総務省統計局 家計調査報告
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gy02.pdf
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/nen/pdf/gy03.pdf
生命保険文化センター http://www.jili.or.jp/research/report/chousa28th_1.html

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